私と猫の700日間 ―前編―
2020.2.7 コラム

私と猫の700日間 ―前編―
2020.2.7 コラム

私と猫の700日間 ―前編―

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穏やかな春の陽気に包まれたある日のことです。家事を終え、ふと庭に目をやると、窓の向こうに小さな生き物がくつろいでいました。わかりやすく二度見をすると、陽だまりの中で野良の子猫がくつろいでいるではありませんか!

以前から「いつか猫を飼いたいなぁ」と思っていたのでこれにはびっくり。「きっと神様が与えてくれたんだ!」とものすごく興奮してしまいました。

それから、少しずつ距離を縮め、春が終わる頃には足にスリスリしてくれるまでに。小さくて、かわいらしい瞳の子猫に、私たちは「チビちゃん」と名付けました。

ある夏の日の夜のことです。 マンション2階のバルコニーから「ニャー、ニャー」と助けを求めるような鳴き声が聞こえてきました。どうやら登ったはいいものの、降りてこられなくなってしまったようです。これは緊急事態だと辺りを見回すと、我が家の庭にはビニールプールがありました。それを踏み台にして降りてこられるよう持ち上げて誘うと、不審に思う様子もなく、「ニャー」と一鳴き、一目散に降りてきました。

猫の恩返し?  なのか、あの夏の一件から、さらに慕ってくれるようになりました。庭で捕まえたバッタを戦利品として見せてくれたり、気付くと庭から部屋の中を覗いていたり——。やんちゃながらも、その愛らしい瞳と可愛らしい仕草にますます夢中になってしまいました。

寒さ厳しい冬のこと、洗濯物を干すため窓を開け放していると、申し訳なさそうに部屋に入ってきました。カーテンの端っこで、目を合わせないよう“毛繕いをしている風”に、ちゃっかり暖を取っていました。

あまりの可愛さに咎めることなく受け入れていると、日に日に、一歩、また一歩と、床暖房エリアまで来るようになりました。

そこはもう暖かすぎて天国のような心地なのでしょう。気が付くと、ウトウトと目が閉じていて、気を許した人の前でしかしない“箱座り”で居座るのでした。

出合って一年

春、チビちゃんと初めて出合った季節になりました。相変わらず、朝起きると窓の前でお出迎えをしてくれます。野良に餌付けは良くないといわれますが、ここだけの話、キャットフードや煮干しをあげてしまっています(笑)。

見た目が少し大きくなり、子猫とは言えなくなったけれど、たくさん撫でてほしくてお腹を見せて甘えてきたり、遊んでいると甘噛みしたりするなど、まだまだ可愛いチビちゃん。毎日パトロールしに来ていましたが、秋が近づくにつれて来ない日が目立つようになりました。

11月のある日、白猫を連れてきました。もしかしたら兄弟なのか、それからは2匹揃ってやって来るようになりました。次第に寒さが厳しくなってきており、「暖を取れる場所を作ってあげなきゃ」と、無事に越冬できるよう段ボールで小さな小屋を作りました。2匹は警戒することなく小屋へ入り、身を寄せ合い、寒い冬を乗り越えたのでした。

>後編へ続く