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古い慣習残る不動産業界、同性パートナーとの住宅購入はできる?

結婚式の様子

10年前、20年前と比較して、家族という枠組みはとても多様化してきているように思います。女性は結婚して家庭に入る、という風習もほとんど過去のものとなり、結婚する人もいれば、あえて結婚せずにパートナー(事実婚)という選択をする人もいます。

【事実婚ってどうですか?】SHELLYさん「娘たちが彼を“ピーター”と呼ぶ理由」,『VERY』(光文社)

住宅購入のタイミングは、ライフスタイルに何かしらの変化を伴うものなので、昔から結婚や出産などの祝い事との相性が良いと言われています。私も営業時代、さまざまなお客様との出会いがありました。中でも今回は同性パートナーさんの住宅購入についてフォーカスしてお話しできればと思います。

かつて金融機関は「結婚して仕事を退職するリスク」「どちらか片方が結婚した場合の回収リスク」を見ていた

結論からお伝えすると、同性パートナー同士での住宅ローン共有名義はまったく問題なく組めます。

手をつないでいる姿

ただ、これは最近のことなので、例えば私が新卒で入社した2013年だと、組むことができませんでした。同性パートナーだけでなく、独身女性も一人でローンを組むことが難しく、私も1軒目のマンションを購入したときには独身で(というか今も独身ですが)、自分のローンを通すのが大変でした(笑)

上場企業に勤めていても、借入希望額と収入のバランスが良くても、独身女性で20代だった、というそれだけの理由で、金融機関は「結婚して仕事を退職するリスク」を大きく見てしまいがちでした。そのため、微妙に金利が高くなったり、そもそも断られたりすることがありました。同性パートナーの場合、当時はそもそも俎上にすら載せてもらえず、「どちらか片方が結婚した場合の回収リスク」を大きく見ていた印象です。どうしてもベースが「結婚」になってしまっていたんですね。

実際に私も、同性パートナーとの同棲を考えているお客様とお話しする機会をいただき、提案営業をしたことがありますが、当時はメガバンクもネットバンクも、地方銀行にも対応してもらえず、どちらか片方の収入でローンを組んでいただくしか方法がありませんでした。

パートナーシップの形は「結婚している、していない」の二元論では割り切ることはできない時代に

生活をともにするパートナーがいるのに、自分の収入だけでしか審査で見てもらえないとなると、本来ならばより大きな住宅に住めるポテンシャルがあるのにもかかわらず、融資が受けられないがために少し手狭な住宅を選択せざるを得ません。提案する私もやるせない気持ちになりました。

しかし、2017年~2018年頃にメガバンクのみずほ銀行ネットバンクの住信SBI銀行などで、【パートナーシップ制度と同等の証明書があれば、共有名義で融資可能】になりました! つまり、お互いがお互いの後見人になるという公正証書を作成すれば、一つの物件を共有で所有できますよ、ということです。

不動産業界は、前時代的な昭和の風吹く業界として有名ですが、この制度ができたときは、新しい風が吹いたと強く実感しました。ちなみに、公正証書はお住まいの地域の、最寄りの公証役場で作成してもらえます。

家族の写真

作成費用は3万円程だったと思います。片方がもう片方の後見人になるという証書なので、お互いで作成しあって、6万円くらいでしょうか。そのほかにも戸籍謄本などの身分証明書は必要となりますが、おおよそ2週間程度で作成できますし、住宅ローンの手続きよりははるかに楽だと思います!

公正証書が完成したら、あとは住宅ローン審査用紙に添付して、通常通りの審査となりますが、びっくりするほど簡単に手続きが進められます。某銀行の担当者からは、「同性パートナーで住宅購入するほうが別れないと思う」なんて言葉を聞いたことがあります。

本当かどうかは不明ですが、今や3組に1組は離婚する時代ですし、パートナーシップの形も「結婚している、していない」の二元論では割り切ることはできません。ステレオタイプの結婚観が揺らいでいるこの時代に即した、新しいダイバーシティーの形が求められているように感じます。

パートナーがいる方も、私のように個人で購入する方も、いざというときに、どうなっても大丈夫だと言える不動産を購入することが大切です!

最近は新築マンション、新築戸建てに限らず、中古やリノベーション物件も増えてきました。メリット、デメリットはそれぞれありますが、楽しく、幸せな生活ができる住宅探しをしてみて下さいね。

参考:タカラレーベン 物件検索 


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